OpenBCIを使った脈拍測定入門

パルスセンサーOpenBCI Cytonボートに接続し 無償提供されているソフトウェア(OpenBCI GUI)を使用することで脈拍を測定することが出来ます。

このパルスセンサーは光電式指尖容積脈波記録法(PhotoplethysmogramPPG)を基にしたセンサーが使用されており 以下の画像のように基盤の中心にはLEDチップが実装されています。OpenBCIボードには3つのリード線を使って接続されます。

  • 赤色(+): +3V ~ +5V
  • 黒色 (-):GND
  • 紫色(S):信号出力

目次

    パルスセンサーの前準備

    センサーを使い始める前に 測定中の被験者の肌から出てくる汗や脂がセンサー基盤に付くことによっておこる回路の短絡などを防ぐために センサー部分を絶縁処理させる必要があります。

    センサーキットに付属されている4枚の絶縁シール(透明な丸いシール)を1枚はがし、下の画像のように パルスセンサーのハートのマークのある面の中央に貼り付けます。

    続いて 下の画僧のようにセンサーのもう一方の面(チップが実装されている面)に黒色のマジックシールを張り付けます。これも絶縁シール同様 センサー回路の短絡などを防ぎます。マジックシールはフィンガーストラップに貼り付けることも出来るので 指先にパルスセンサーを取り付ける時に便利です。 以上でパルスセンサーの前準備は完了です.。

    パルスセンサーをOpenBCIボードに接続

    まず最初にOpenBCI Cyton スタートアップガイドに従ってCytonボードのセットアップをおこなって下さい。

    OpenBCI Cytonボードを使った脈拍測定に必要なものは以下の通りです。

    • OpenBCI Cytonボード
    • USBドングル(OpenBCIボードに付属されます)
    • 充電式バッテリー(または電池ケース
    • パルスセンサー

    パルスセンサーのリード線を上の画像の赤く囲った部分の端子に接続します。リード線と端子の対応表は以下の通りです。

    リード線の色

    Cytonの端子

    機能

    赤色

    DVDD

    電源

    黒色

    GNDA

    グランド

    紫色

    D11

    アナログ入力(信号)

    赤いリード線はCytonボードのDVDD端子、黒いリード線はGNDA端子(DVDD端子の隣)、そして紫色のリード線はD11端子に接続します。

    パルスセンサーを指先に取り付ける

    このパルスセンサーは光電式指尖容積脈波記録法(PTG)が用いられており センサーから生体に向けて照射した光の反射をもとに脈拍測定がおこなわれます。パルスセンサーの取り付けが可能な部位は様々ありますが 毛細血管組織が集中している部位(例えば指先、耳たぶ、額、手のひら)などが脈拍測定には適しています。ここでは指先にパルスセンサーを取り付け測定をおこなう場合の説明をします。

    下の画像のように付属されているフィンガーストラップにパルスセンサーを貼り付けます。パルスセンサーに貼ってあるマジックシールでフィンガーストラップに固定します。いずれかの指先にハートのマークがあるセンサー面を密着させ フィンガーストラップを指に巻き付けます。 

    注)測定中に指を動かすとノイズが発生してしまう為 手は机の上に置くなどリラックスした状態にして下さい。

    OpenBCI GUIを実行し 脈拍を測定

    OpenBCI GUIを実行しGUIOpenBCIボードの接続を確立します。

    注)OpenBCIボードをはじめて使う方は まずOpenBCI Cytonスタートアップガイドをご覧下さい。OpenBCI GUIの機能の説明はOpenBCI GUIウィジェットガイドをご覧下さい

    注)OpenBCI GUIのバージョンの違いによって ボタンなどの表記が若干異なりますのでご了承下さい。

    OpenBCIボードの接続が確立したら 下の画像のようにウィジェットメニューの中から「Pulse Sensor」を選択します。

    次に「Pulse Sensor」ウィジェットの中の「Turn Analog Read On」ボタンをクリックします。そうすると 下の画像のようにボタンの表示が「Turn Analog Read Off」に変化します。

     

    最後にOpenBCI GUIのウィンドウの左上にある「START DATA STREAM」ボタンをクリックしてデータ集録を開始して下さい。脈拍データが正しく集録されると以下の画像のような波形が「Pulse Sensor」ウィジェットに表示されます。

    「Pulse Sensor」ウィジェットには脈拍波形以外に 脈拍間隔時間(Inter Beat Interval: IBI)と脈拍数(Pulse Rate: PR)が表示されます。PRは最新10パルスの移動平均が脈拍数(単位はBPM(Beat per Minute))として表示されます。またIBIは心拍測定時の心拍変動(Heart Rate VariabilityHRV)の代わりとして 睡眠段階、ストレス、疲労などの生体情報の指標として利用されることもあります。

    OpenBCI GUIはデフォルトで日時をもとにしたファイル名のログデータファイルをコンピューター内に保存します。 OpenBCI GUIバージョン4以降では ログファイルの保存先はドキュメントフォルダの「OpenBCI_GUI」フォルダの中にある「Recordings」というフォルダの中になります。バージョン3から以前のバージョンでは「OpenBCI_GUI.exe」と同じフォルダ内にある「GUISavedData」というフォルダ内に保存されます。

    注)OpenBCI GUIで保存されるログデータはフィルタやスムージングなど信号処理後の信号データではなく 処理前の生信号データです。フィルタ済みのログデータが必要な場合は 自身でフィルタ処理をおこなうか 弊社の技術・研究支援サービスをご活用下さい。

    OpenBCIを使った計測入門

    OpenBCIボードを使用して生体信号を測定する方法については、以下のチュートリアルを参照下さい。