EEGキャップセットアップガイド

ここではOpenBCI EEGキャップのセットアップとクリーニング方法の解説をおこないます。 EEGキャップの使用を開始する前に 製品ページ ならびに このセットアップガイド全体をご確認下さい。

このウェット電極タイプのEEGキャップは 最大19チャネルの脳波測定用電極を有しており OpenBCI CytonGanglionをはじめとするOpenBCI集録ボード または タッチプルーフコネクタを使っているバイオアンプと組み合わせることが出来ます。 このEEGキャップを使用するには電極用ジェルを使う必要があります。

※ ジェルフリーEEGキャップをお持ちの方はジェルフリーEEGキャップセットアップガイドをご参照ください。

EEGキャップの電極の配置は、下の画像に示すとおりです。

EEGキャップには以下の2種類があります。どちらの製品もセットアップ方法は同じです。

  • 19チャンネル Ag/AgCI電極EEGキャップ
  • 19チャンネルSintered Ag/AgCl電極EEGキャップ

ここでは16チャンネルのOpenBCI Cytonボードを使用した場合のEEGキャップのセットアップ方法を説明します。OpenBCIボードをはじめて使う方は まずOpenBCI CytonスタートアップガイドまたはOpenBCI Ganglionスタートアップガイドをご覧下さい。

目次

必要なもの

  1. OpenBCI Cytonボード + Daisyモジュール(OpenBCI Cytonボード(16チャンネル)を使用します)
  2. USBドングル(OpenBCIボードに付属されます)
  3. 充電式バッテリー(または電池ケース)
  4. ピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブル 2
  5. EEGキャップ
  6. イヤークリップ電極 2
  7. 電極用ジェル 

EEGキャップをOpenBCIボードに接続

以下の画像のように、Cytonボード(16チャンネル)に付属のY字ケーブルをCytonボードとDaisyモジュールのSRB下段のピンに接続します。 

Y字ケーブルにリファレンス用の電極を接続します。この製品ではリファレンスの接続方法が2種類あります。一つ目がイヤークリップ電極ケーブルを使う方法、そして二つ目がEEGキャップの電極を使う方法です。(この場合 REF電極の位置が10-10法のAFzになります) 当社としては脳波測定時のリファレンスの接触を確実にとるため イヤークリップ電極ケーブルの使用をお勧めしています。

  • イヤークリップ電極ケーブルを使う場合、1つ目のイヤークリップ電極ケーブルをY字ケーブルのオス端子に接続します。
  • EEGキャップのリファレンス電極を使う場合、ピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブルをY字ケーブルのオス端子に接続します。そして変換ケーブルのタッチプルーフコネクタを「REF」とラベルの貼ってあるEEGキャップのケーブル端子と繋げ合わせます(下の画像を参照)。

CytonボードのN1PからN8Pの下段ピンにピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブルを接続し、EEGキャップの電極ケーブルと繋げます。 これらの電極が、OpenBCI GUIのチャンネル18になります。

同様にDaisyモジュールのN1PからN8Pの下段ピンにピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブルを接続し、EEGキャップの電極ケーブルと繋げます。 これらの電極が、OpenBCI GUIのチャンネル916になります。

続いて CytonボードのBIAS下段のピンにケーブルを接続します。 BIASピンはCytonボードと身体の間に共通のアースを確立するGNDピンの役割をすると同時に信号内のノイズキャンセリングの役割もはたします。 こちらもリファレンス同様 2種類の接続方法があります。

  • イヤークリップ電極ケーブルを使う場合、2つ目のイヤークリップ電極ケーブルをCytonボードのBIAS下段のピンに接続します。
  • EEGキャップのGND電極を使う場合、 ピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブルをCytonボードのBIAS下段のピンに接続します。 そして変換ケーブルのタッチプルーフコネクタを「GND」とラベルの貼ってあるEEGキャップのケーブル端子と繋げ合わせます(下の画像を参照)。

以上のようにEEGキャップにすべてのケーブルを接続したら被験者の頭にキャップをかぶせます。 Czが頭の正中線の中間に正しく配置されていることを確認してください。

続いて イヤークリップ電極ケーブルを使用している場合は 2つのイヤークリップを左右それぞれの耳たぶに取り付けます。(EEGキャップのREFGNDを使用している場合このステップは必要ありません)

最後に 付属のシリンジ(注射筒)を使用して電極用ジェルを各電極に注入します。 

OpenBCI GUIソフトウェア

OpenBCI GUIを起動して 使用していないチャンネルがある場合はオフにします。「Time Series」ウィジェット内の波形チャートの左側にあるチャンネル番号をクリックすることで 使用していないチャンネルをオフにすることが出来ます。(OpenBCIボードをはじめて使う方は まずOpenBCI CytonスタートアップガイドまたはOpenBCI Ganglionスタートアップガイドをご覧下さい)。

これで準備が整いました。OpenBCI GUIのウィンドウの左上にある「START DATA STREAM」ボタンをクリックしてデータ集録を開始して下さい。

注)OpenBCI GUIウィジェットガイドOpenBCI GUIのウィジェッドの説明をご覧頂けます。

注)OpenBCI GUIのバージョンの違いによって ボタンなどの表記が若干異なりますのでご了承下さい。

 各チャンネルの接触インピーダンスの確認は波形チャートの左端にある「Ω」表示ボタンをクリックすることでおこなえます。 このボタンをクリックするとそのチャンネルのピンに微小な電流が流れインピーダンスチェックが開始されます。EEGキャップの場合 各チャンネルのインピーダンスは20kΩ以下を目安にして下さい。 インピーダンスチェック中は信号の集録は停止されますので インピーダンスの確認が終わった後はボタンを再度クリックしインピーダンスチェックを終了させて下さい。 

※ OpenBCI GUI ver.5.0.9以降ではインピーダンスチェック用のウィジェットが作成されました。 波形の横にある「Ω」ボタンが見当たらない場合は ウィジェットの選択メニューの中から「Cyton Signal」を選択すればインピーダンスチェックが実施できます。

もし インピーダンスの高いチャンネルがある場合は シリンジを使い 電極用ジェルを追加し インピーダンスを下げるように試してみて下さい。 またREFGNDの電極の接触が悪いと チャンネル全体のインピーダンスが高く出る傾向にあります。 REFGNDの電極が被験者にしっかりコンタクト出来ているか確認して下さい。

注)チャンネルボタンやインピーダンスチェックボタンのクリックを短い間隔で繰り返すと OpenBCI GUIが正しく反応しない場合があります。コマンドのやり取りが間に合ってない可能性がありますので ボタン操作の間隔を少し開けて試してみて下さい。

使用後のクリーニング

EEGキャップを使って脳波測定をした後は 必ずキャップのクリーニングをおこなって下さい。 定期的なクリーニングは衛生面ならびに信号品質の観点からも とても重要です。

洗浄方法:

  • 使用後すぐに、EEGキャップの電極部分をぬるま湯ですすぎながら 付属のブラシで残留している電極用ジェルを取り除きます。( タッチプルーフコネクタ部分は水に付けないよう気を付けて下さい)
  • キャップをぬるま湯に約15分間浸します。 ぬるま湯に浸すことで汚れや電極用ジェルが溶けやすくなります。 
  • ジェルが電極またはキャップの表面に残っている場合は、ブラシやぬるま湯ですすぐなどして しっかり取り除いてください。
  • 水道水を使ったすすぎ洗いを何度か繰り返した後 キャップを脱水し 風通しの良い日陰に干します。 
  • 完全に乾いたら保管場所に収納して下さい。

殺菌について: 殺菌は使用後毎回はおこなう必要はありませんが 必要に応じてキャップの殺菌作業おこなえます。 殺菌作業には家庭用つけ置き除菌漂白剤を低濃度に薄めてお使い下さい。 除菌後はキャップを水道水でしっかりすすぎ、脱水したうえで風通しの良い日陰で乾燥させて下さい。