OpenBCIを使った脳波測定入門

OpenBCIボードを使った脳波測定には頭部に取り付ける電極が必要でありUltracortex Mark IVEEGキャップなどを利用する必要があります。ここでは皿電極付きケーブルとOpenBCI CytonボードまたはOpenBCI Ganglionボードを使用した最も基礎的な脳波測定のセットアップについて説明します。このチュートリアルはお一人でおこなうことは難しいので 出来ればどなたかと一緒におこなうことをお勧め致します。

OpenBCIボードをはじめて使う方は まずOpenBCI CytonスタートアップガイドまたはOpenBCI Ganglionスタートアップガイドをご覧下さい。

目次

必要なもの

  1. OpenBCI CytonボードまたはOpenBCI Ganglionボード
  2. USBドングル(OpenBCIボードに付属されます)
  3. 単三電池ケース(OpenBCIボードに付属されます)
  4. 単三電池 4
  5. 皿電極付きケーブル
  6. 電極用ペースト

その他、皿電極を固定する医療用テープ、洗浄の際 電極からペーストを取り除く綿棒、そして汚れをふき取るペーパータオルなどがあると便利です。

1. OpenBCIに皿電極付きケーブルを接続

以下の画像のように皿電極をOpenBCI Cytonボードに接続して下さい。下の表はピンとケーブルの色の対応表を示しています。CytonボードのN1PN8Pのピンはボードのチャンネル番号1~8を意味しています。OpenBCI Ganglionボードの場合 +1-~+4-のピンがチャンネル番号の1~4を意味しています。

ケーブルの色

Cyton の場合

下段ピン

Ganglion の場合

上段ピン

機能

SRB

REF

リファレンス

BIAS

D_G

ノイズキャンセリング

N2P

+2-

アナログ入力

N7P

+4 -

アナログ入力

 

注)GanglionボードのSW1SW2SW3SW4のスイッチは下の画像のように「下」の位置に合わせて下さい。

2. 電極を取り付ける

  • 上の画像のように 白色のケーブルに付いている皿電極の凹の部分で電極用ペーストをすくい上げます。皿の上部に少しあふれるくらいの量をすくって下さい。このケーブル(白色)はリファレンス用となりますのでCytonボードの場合はSRBGanglionの場合はREFのピンに接続します。
  • 電極用ペーストで満たされた皿電極を左右どちらかの耳たぶに貼り付けます(耳たぶは国際10/20法のA1またはA2に当たります)。上の画像のように 測定中に外れてしまわないよう皿電極を医療用テープでしっかりと固定します。この電極はすべてのEEGチャンネルのリファレンスになり 各EEGチャンネルとリファレンス電極の間の電位差がOpenBCI GUIEEGデータ(μV)として表示されます。

    • 続いて紫色のケーブルを同じ手順で 額の中心から約2cm右、そして右眉の約2cm上に電極を配置します(上の画像参照)。この電極のケーブルはCytonボードの場合はN2PGanglionの場合は+2-のピンに接続されます。

      この電極位置は国際10/20法のFp2の位置に相当します。Fpとは英語でfront polarの略で前頭極を意味します。

      • 赤色のケーブルを同じ手順で上の画像のように後頭部に配置します。イニオンまたは外後頭隆起と呼ばれる後頭骨の中央あたりにある突起から約2㎝左に配置して下さい。電極はCytonボードの場合はN7PGanglionの場合は+4-のピンに接続します。この電極位置は国際10/20法ではO1に相当し、Oとはoccipitalの略で後頭部を意味します。

      注)電極を配置するときは皿電極がしっかりと頭皮上に配置されていることを確認して下さい。電極用ペーストが皿電極の凹部分に満たされていないと接触が悪くなります。

      • 最後に黒色のケーブルを同じ手順でもう片方の耳たぶに付けます。電極はCytonボードの場合はBIASGanglionの場合はD_Gのピンに接続されます。この電極はOpenBCIボードと体の間の共通のGNDとなり 干渉ノイズをキャンセリングする役割を果たします。

      これで電極の配置は完了しました。上の画像のように電極を固定する為 ヘアバンドやメッシュのキャップなどを使うと よりしっかりと電極が固定され安定した脳波測定が実現出来ます。

      3. OpenBCI GUIを起動しボードと接続

      • OpenBCIボードの接続が確立したら OpenBCI GUIのウィンドウの左上にある「START DATA STREAM」ボタンをクリックしてデータ集録を開始して下さい。左側にある「Time Series」ウィジェットにFp2O1に配置された電極からのデータがリアルタイムで表示されます。「Start Data Stream」ボタンの右隣にはノッチフィルタの周波数切替えボタンがあり 交流電源から来るノイズを除去出来ます。

      注)OpenBCI GUIウィジェットガイドでOpenBCI GUIのウィジェッドの説明をご覧頂けます。

      注)OpenBCI GUIのバージョンの違いによって ボタンなどの表記が若干異なりますのでご了承下さい。

      • Cytonボードの場合 Fp2がチャンネル2、O1がチャンネル7で Ganglionボードの場合 Fp2がチャンネル2、O1がチャンネル4でデータが集録されています。「Time Series」ウィジェット内の波形チャートの左側にあるチャンネル番号をクリックすることで 使用していないチャンネルをオフにすることが出来ます。チャンネルをオフにすると そのチャンネルの電圧表示は0mVになります。 

      もし 電極の繋がっているチャンネルで波形にチャートにおさまらないほどのノイズが混じっている場合は 電極がしっかりと体に接触出来ているか確認して下さい。

      4. 脳波測定

      それでは脳波信号を測定します。 

      まず 瞬きを23回繰り返して下さい。そうするとFp2のチャンネルに「Eye Blink(EMG)」のような 山がいくつか現れます(上の画像を参照)。これは厳密に言うと脳波ではなく 瞬きをする際の筋肉の動きをFp2の電極が拾ったものです。脳波測定中の過度な瞬きは 正確な脳波信号測定の妨げになりますので注意が必要です。

      数ある脳波の種類の中で最も簡単に確認できるのがアルファ波と呼ばれる脳波信号です。椅子に座りリラックスした状態で目を閉じて下さい。そうすると後頭葉(視覚的情報の処理をおこなう部位)に配置されている電極O1から7.512.5Hzの周波数帯の波状の波形が検知されます。上の画像の「ALPHA Brain Wave (EEG)」と表されている部分がアルファ波です。強いアルファ波の発生は視覚野の活動がアイドリング状態になったことを表しています。

      そして「FFT Plot」ウィジェットには 上の画像のように7.512.5Hz周辺にピークが現れます。これは電極から集録したデータに7.512.5Hzの周波数成分が多く含まれていることを表します。つまり測定した脳波にアルファ波の成分が多く含まれていることになります。

      OpenBCIを使った計測入門

      OpenBCIボードを使用して生体信号を測定する方法については、以下のチュートリアルを参照下さい。