ジェルフリーEEGキャップセットアップガイド

OpenBCI ジェルフリーEEGキャップのセットアップとクリーニング方法の解説をおこないます。 ジェルフリーEEGキャップの使用を開始する前にこのセットアップガイドをご確認下さい。

ジェルフリーEEGキャップはOpenBCI CytonGanglionをはじめとするOpenBCI集録ボード または タッチプルーフコネクタを使っているバイオアンプと組み合わせることが出来ます。 このキャップを使用する場合は電極用ジェルを使う必要はありません。 

ジェルフリーEEGキャップの電極の配置は、以下の画像に示すとおりです。

ここでは16チャンネルのOpenBCI Cytonボードの使用を例に挙げて ジェルフリーEEGキャップのセットアップ方法を説明します。OpenBCIボードをはじめて使う方は まずOpenBCI CytonスタートアップガイドまたはOpenBCI Ganglionスタートアップガイドをご覧下さい。

目次

必要なもの

ジェルフリーEEGキャップをOpenBCIボードに接続

1. 以下の画像のように、OpenBCI Cytonボード(16チャンネル)に付属されているY字ケーブルをCytonボードとDaisyモジュールのSRB下段のピンに接続します。 


2. Y字ケーブルにリファレンス用の電極を接続します。この製品ではリファレンスの接続方法が2種類あります。一つ目がイヤークリップ電極ケーブルを使う方法、そして二つ目がジェルフリーEEGキャップの電極を使う方法です。(この場合 REF電極の位置が10-10法のAFzになります) 当社としては脳波測定時のリファレンスの接触を確実にとるためにイヤークリップ電極ケーブルの使用をお勧めしています。

  • イヤークリップ電極ケーブルを使う場合、1つ目のイヤークリップ電極ケーブルをY字ケーブルのオス端子に接続します。
  • ジェルフリーEEGキャップのリファレンス電極を使う場合、ピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブルをY字ケーブルのオス端子に接続します。そして変換ケーブルのタッチプルーフコネクタを電極ホルダーの灰色のケーブル端子と繋ぎ合わせます。 この電極はジェルフリーEEGキャップの「REF」の電極位置で使用します。 電極ホルダーをジェルフリーEEGキャップに取り付けるには 以下の画像のように 電極ホルダの羽の部分をジェルフリーEEGキャップのプラスチック部の溝にはめ込み 「カチッ」という音がするまで 時計回りに回します。

3. OpenBCI CytonボードのN1PからN8Pの下段ピンにピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブルを接続し、ジェルフリーEEGキャップの電極ケーブルと繋げます。 これらの電極が、OpenBCI GUIのチャンネル18になります。(ピン接続の順序やチャンネル・電極位置の組み合わせはユーザーの好みで自由にお選び下さい。)

 

4. 同様にDaisyモジュールのN1PからN8Pの下段ピンにピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブルを接続し、電極ケーブルと繋げます。 これらの電極が、OpenBCI GUIのチャンネル916になります。

5. 続いて CytonボードのBIAS下段のピンに接続します。 BIASピンはCytonボードと身体の間に共通のアースを確立するGNDピンの役割をすると同時に信号内のノイズキャンセリングの役割もはたします。 こちらもリファレンス同様 2種類の接続方法があります。

  • イヤークリップ電極ケーブルを使う場合、2つ目のイヤークリップ電極ケーブルをCytonボードのBIAS下段のピンに接続します。
  • ジェルフリーEEGキャップのGND電極を使う場合、 ピンヘッダ/タッチプルーフコネクタ変換ケーブルをCytonボードのBIAS下段のピンに接続します。 そして変換ケーブルのタッチプルーフコネクタを電極ホルダーの灰色のケーブル端子と繋ぎ合わせます。 この電極は以下に示すように ジェルフリーEEGキャップの「GND」の電極位置で使用します。

 

6. チャンネル116に繋がれている電極ホルダーをジェルフリーEEGキャップの任意の電極位置に取り付けます。 電極ホルダーをジェルフリーEEGキャップに取り付けるには 電極ホルダの羽の部分をジェルフリーEEGキャップのプラスチック部の溝にはめ込み 「カチッ」という音がするまで 時計回りに回して接続します。

7. 上記のようにキャップにすべてのケーブルを接続したら、ジェルフリーEEGキャップに付属されているカップとスプーン(小さじ)を使い生理食塩水を作ります。 200mLの水道水に対し食塩約2g(スプーン半分弱)をよく溶かし混ぜ合わせます。 その後 Hydro-link(電極用スポンジ)を約510分間生理食塩水に浸します。(※ 電極用スポンジの追加購入はこちらからご注文下さい。)

8. 生理食塩水に浸されたHydro-linkをジェルフリーEEGキャップに取り付けられた電極ホルダーに挿入します。

9. ジェルフリーEEGキャップの電極ホルダーにHydro-linkがセットされたら 被験者の頭にEEGキャップをかぶせます。Czが頭の正中線の中間に正しく配置されていることを確認してください。 

10. イヤークリップ電極ケーブルを使用している場合は 最後に2つのイヤークリップを左右それぞれの耳たぶに取り付けます。( ジェルフリーEEGキャップのREFGNDを使用している場合このステップは必要ありません)

OpenBCI GUIソフトウェア

OpenBCI GUIを起動して 使用していないチャンネルがある場合はオフにします。「Time Series」ウィジェット内の波形チャートの左側にあるチャンネル番号をクリックすることで 使用していないチャンネルをオフにすることが出来ます。(OpenBCIボードをはじめて使う方は まずOpenBCI CytonスタートアップガイドまたはOpenBCI Ganglionスタートアップガイドをご覧下さい)。

これで準備が整いました。OpenBCI GUIのウィンドウの左上にある「START DATA STREAM」ボタンをクリックしてデータ集録を開始して下さい。

注)OpenBCI GUIウィジェットガイドOpenBCI GUIのウィジェッドの説明をご覧頂けます。

注)OpenBCI GUIのバージョンの違いによって ボタンなどの表記が若干異なりますのでご了承下さい。

各チャンネルの接触インピーダンスの確認は波形チャートの左端にある「Ω」表示ボタンをクリックすることでおこなえます。 このボタンをクリックするとそのチャンネルのピンに微小な電流が流れインピーダンスチェックが開始されます。ジェルフリーEEGキャップの場合 各チャンネルのインピーダンスは20kΩ以下を目安にして下さい。 インピーダンスチェック中は信号の集録は停止されますので インピーダンスの確認が終わった後はボタンを再度クリックしインピーダンスチェックを終了させて下さい。 

※ OpenBCI GUI ver.5.0.9以降ではインピーダンスチェック用のウィジェットが作成されました。 波形の横にある「Ω」ボタンが見当たらない場合は ウィジェットの選択メニューの中から「Cyton Signal」を選択すればインピーダンスチェックが実施できます。 

もし インピーダンスの高いチャンネルがある場合は 電極と頭皮の接触を調整して下さい。 例えばEEGキャップから電極ホルダーを取り外し Hydro-linkに生理食塩水を十分に含ませてから 再度EEGキャップに取り付けて下さい。 また その際にHydro-linkが頭皮にしっかり接触するように 綿棒などで毛髪をよけてから電極ホルダーをキャップに取り付けるとより良いと思われます。

注)チャンネルボタンやインピーダンスチェックボタンのクリックを短い間隔で繰り返すと OpenBCI GUIが正しく反応しない場合があります。これはコマンドのやり取りが間に合ってない可能性がありますので ボタン操作の間隔を少し開けて試してみて下さい。

使用後のクリーニング

ジェルフリーEEGキャップを使って脳波測定をした後は 必ずキャップのクリーニングをおこなって下さい。 定期的なクリーニングは衛生面ならびに信号品質の観点からもとても重要です。

  1. 測定が終了したら、OpenBCIボードからジェルフリーEEGキャップのケーブルコネクタを外します。 
  2. キャップから電極ホルダーを取り外し、ホルダーに差してあるHydro-linkを取り出します。
  3. Hydro-linkを水道水に浸し 少なくとも3回はすすぎ作業をおこなって下さい。
  4. Hydro-linkに含まれている水を絞り、脱水してから日陰で乾燥させます。
  5. 電極ホルダーとジェルフリーEEGキャップも水道水でしっかりすすぎ、脱水した後に日陰に干します。( ただし電極ホルダーに繋がっているタッチプルーフコネクタは洗わないで下さい)
  6. 全てが乾いたら保管場所に収納します。( Hydro-link34回は洗って繰り返し使用することが出来ます)

殺菌について: 殺菌は使用後毎回はおこなう必要はありませんが 必要に応じてキャップの殺菌作業おこなえます。 殺菌作業には家庭用つけ置き除菌漂白剤を低濃度に薄めてお使い下さい。 除菌後はキャップを水道水でしっかりすすぎ、脱水したうえで風通しの良い日陰で乾燥させて下さい。