OpenBCI Ganglion スタートアップガイド
このスタートアップガイドでは、OpenBCI GanglionでOpenBCI_GUIアプリケーションを使い、信号を取得する方法について説明します。OpenBCIのYoutubeチャンネルではチュートリアル動画もございますのでご覧下さい。
目次
必要なもの
- OpenBCI Ganglion 集録ボード
- OpenBCI Ganglion USBドングル(OpenBCIボードに付属されます)
- 充電式バッテリー(または電池ケース)
- プラスチック台(OpenBCIボードに付属されます)
- 電極とその他の備品(例:皿電極付きケーブルと電極用ペースト)
1. OpenBCI Ganglion集録ボード
このスタートアップガイドはGanglionボード (4ch)を使用されるお客様を対象としております。Cytonボードをお使いのお客様はCytonスタートアップガイドをご覧下さい。
2. OpenBCI Ganglion USBドングル
OpenBCI Ganglion USBドングルは当社ダイナブレイン株式会社からOpenBCI Ganglionボードを購入すると付属で付いてきます。OpenBCI GUIを起動する前にUSBドングルをコンピューターに接続してください。
3. 充電式バッテリー(または電池ケース ※2023年6月以前の製品)
USBチャージャーで十分にバッテリーを充電してからお使い下さい。下の画像のようにGanglionボード上にある電源供給端子に接続します。USBドングルがコンピューターに接続されているのを確認してから ボード上の電源スイッチを「ON」にします。その後ボード上の青いLEDが点滅を始めます。
重要:Ganglionボードに付属の充電式バッテリー以外のバッテリーや電池ケースを使用する場合はGanglionボードに電源を供給する前に ケーブルの極性・赤(+)/黒(-)を確認して下さい。極性が間違っているとボードが損傷する恐れがあります。十分にご注意下さい。
4. プラスチック台 4個
Ganglionボードには4つのプラスチック台が付属されており、ボードに取り付けることで作業中の安定性を高めることが出来ます。
注)2023年6月よりOpenBCI集録ボードに ボード専用のケースが標準で付属されるようになりました。 プラスチック台の代わりにボードケースをご利用頂くことも可能です。
5. 電極とその他の備品(例:皿電極付きケーブルと電極用ペースト)
皿電極付きケーブルと電極用ペーストを購入した場合 上記の写真のようなケーブルと容器が入手出来ます。
もし弊社のEEGキャップや既存のEEGキャップ(タッチプルーフコネクタで接続できるもの)を電極として利用する場合は タッチプルーフアダプターをご利用下さい。このアダプターはGanglionボードのコネクタ(ピンヘッダ)を1.5mmオス型タッチプルーフに変換します。
OpenBCI GUIのダウンロード&インストール
OpenBCI GUI はOpenBCIボードからのデータを集録、解析、視覚化、そして記録することの出来る強力なソフトウェアツールです。GUIではリアルタイムデータの表示やGUIで保存したデータのプレイバック(再生)をすることが出来ます。また通信機能を使いMATLABやサードパーティーのソフトウェアにリアルタイムでストリーミングをすることも可能です。
OpenBCI GUIをダウンロード
お使いのOSに対応したファイルをOpenBCI社のダウンロードページ からダウンロードして下さい。
- ダイナブレイン株式会社ではOpenBCI関連製品のお問い合わせは Windows OSのみの対応とさせて頂いております。その他のOSでのご利用に関するお問い合わせは米国OpenBCI社にお問い合わせ下さい。
Windows OSでOpenBCI GUIをセットアップ
Windows OS対応のファイルをダウンロードし、解凍した「OpenBCI_GUI」フォルダをコンピュータ内の好きな場所(例:ドキュメントフォルダやデスクトップなど)に配置して下さい。
注)OpenBCI GUIはスタンドアロンアプリケーションですのでインストール作業はありません。解凍フォルダ内にある「OpenBCI_GUI.exe」をダブルクリックすることで即座にアプリケーションが実行されます。
OpenBCI GUIを実行
OpenBCI GUIとGanglionボードを接続
上記のステップを実行した後に 「OpenBCI_GUI.exe」をダブルクリックしてOpenBCI GUIを起動して下さい。GanglionボードをOpenBCI GUIで利用する為には GUIウィンドウの「System Control Panel」からデータソースを「LIVE (from Ganglion)」と選択して下さい。「START SYSTEM」ボタンを押す前にGanglionボードの設定をする必要があります(以下の手順に従ってください)。
注)OpenBCI GUIのバージョンの違いによって ボタンなどの表記が若干異なりますのでご了承下さい。
続いて「PICK TRANSFER PROTOCOL」の中から「BLED112 Dongle」を選択して下さい。
OpenBCI GUIが自動的にGanglionデバイスの検索を開始します。
Ganglionには独自の4文字のID (HEX)が割り当てられ 下の画像のように「BLE DEVICES」の一覧としてGanglionボードが表示されます。もしGanglionボードが表示されない場合は「SEARCHING...」ボタンをクリックして下さい。それでも表示されない場合は 1)バッテリー(または電池)に十分な残量がある、2)ボード上のスイッチが「ON」になっている、3)ボード上の青いLEDが点滅している、ことを確認して下さい。近くに複数のGanglionボードがある場合はGanglionボードの電源を「OFF」にしてGUIの「SEARCHING...」ボタンをクリックし、その後Ganglionボードの電源を再び「ON」することで 自分のGanglionボードを見つけることが出来ます。この場合 ボード特有の4文字のIDを覚えておくと便利です。
リストの中からGanglionボードを選択してください。
OpenBCI GUIは自動的にデータのログファイルを残します。ファイル名は日時をもとにデフォルトで生成されますが 必要に応じで独自のファイル名を指定することも出来ます。OpenBCI GUIバージョン4以降では ログファイルの保存先はドキュメントフォルダの「OpenBCI_GUI」フォルダの中にある「Recordings」というフォルダの中になります。バージョン3から以前のバージョンでは「OpenBCI_GUI.exe」と同じフォルダ内にある「GUISavedData」というフォルダ内に保存されます。
もしデフォルトのままで良ければステップ6にお進み下さい。
注)OpenBCI GUIで保存されるログデータはフィルタやスムージングなど信号処理後の信号データではなく 処理前の生信号データです。フィルタ済みのログデータが必要な場合は 自身でフィルタ処理をおこなうか 弊社の技術・研究支援サービスをご活用下さい。
「START SYSTEM」ボタンをクリックしてOpenBCI Ganglionボードとの接続を確立します。
トラブルシューティング
もし接続に問題がある場合は 以下の項目を試して下さい。
- バッテリー(または電池)の残量が十分にあることを確認して下さい。
- GanglionボードがUSBドングルから離れすぎてないことを確認して下さい。
- OpenBCI GUIを終了し、Ganglionボードを「OFF」にしてコンピューターを再起動して下さい。
OpenBCI Ganglionボードとの接続の確立後
GanglionボードがOpenBCI GUIに接続されると 下の画像のようなデフォルトのウィンドウレイアウトが表示されます。GUIの機能などの詳細はOpenBCI GUIガイドをご覧下さい。
GUIの右上にある「Layout」をクリックしドロップダウンメニューの中から下の画像で赤くハイライトされているものを選択します。
続いて「Start Data Stream」をクリックするとGanglionボードからデータのストリーミングが開始されます。「Start Data Stream」ボタンの右隣にはノッチフィルタの周波数切替えボタンがあり 交流電源から来るノイズを除去出来ます。信号内のノイズが大きすぎる場合は ノイズ源と疑われるものからGanglionボードを少し離してください。またPCもノイズ源となりうるのでGanglionボードがPCに近すぎる場合は ボードをPCから離してください。
「Time Series」のウィジェットにはボードからストリーミングされたデータが波形として表示されます。「FFT Plot」のウィジェットには様々な周波数での信号の強さが表示されます。そして「Accelerometer」のウィジェットには3軸の加速度データが表示されます。ボード上のピンコネクタに指を触れた時 GUIの「Time Series」や「FFT Plot」のウィジェットに表示されている波形が動くのが分かるはずです。
注)加速度を表示する場合は 下の画像にあるように「Accelerometer」のウィジェットの中にある「Turn Accel. On」ボタンが有効になっている必要があります。
これでGanglionボードでのデータ集録の準備が整いました。
OpenBCI GUIの各ウィジェットの機能についてはGUIウィジェットガイドをご参照下さい。またOpenBCI GUIでは信号のログデータは.csvまたは.txtファイル形式で保存されます。ログデータ(生データ)の信号処理の方法はこちらをご参照下さい。
OpenBCIを使った計測入門
OpenBCIボードを使用して生体信号を測定する方法については、次のチュートリアルを参照下さい。
- OpenBCIを使った脳波測定入門
- OpenBCIを使った筋電図測定入門
- OpenBCIを使った脈拍測定入門
- OpenBCIを使った心電図測定入門
- OpenBCIを使った脳波、筋電図、心電図の同時測定入門