OpenBCIを用いた眼球運動、まばたきの検出
眼球運動の検出
眼電図(EOG)は、人間の目の角膜(前方)と網膜(後方)の間に存在する電位差を測ることで眼球運動を記録する測定手法です。EOG測定には様々な方法がありますが 一般的に垂直方向の目の動きは目の上下、 水平方向の目の動きは目の左右に電極を配置します。
カナダ、ブリティッシュコロンビア大学の Hiroshan Gunawardane、C.W. de Silva、Mu Chiaoによって発表された論文「An Oculomotor Sensing Technique for Saccade Isolation of Eye Movements Using OpenBCI」では OpenBCI Cyton集録ボードを用いてEOGデータからサッカード(無意識におこる視線移動)を検出する信号処理技術の検証がおこなわれています。著者による研究内容のプレゼンテーションは以下の動画からご覧頂けます。
まばたきの検出
またアメリカ、ジョージア工科大学のMohit AgarwalとRaghupathy Sivakumarが発表した論文「Blink: A Fully Automated Unsupervised Algorithm for Eye-BlinkDetection in EEG Signals」ではEEGデータからまばたきを検出することで データ集録中にまばたきから起因するノイズの除去を正しく行えると述べています。
このAgarwalとSivakumarが開発したまばたき検出システムは 各ユーザーに対する学習用データがなくとも(トレーニングの必要が無し) システムが自動的にEEGデータから各ユーザーのまばたきの特徴を捉え 学習するUnsupervised learningと呼ばれるタイプのシステムになります。 この研究チームは数十名の被験者からデータを集録しており その時の実験データと解析用コード(Python)をこちらのページで公開しています。
出典元:EOG, Eye Movement, & Blink Detection with the OpenBCI Cyton