脳波信号による自閉スペクトラム症の検出検証
自閉スペクトラム症(ASD)は、人とのコミュニケーションや自身の行動に対する強いこだわりなどの特徴をもつ発達障害のひとつです。 症状によっては日常生活に支障をきたすこともあり 福祉・医療施設などでフルタイムのサポートをうける必要がある場合もあります。自閉スペクトラム症を持つ人は他の人が何を考え、何を感じているのかを理解するのが苦手な傾向がある為 対人関係の構築が苦手であると言われています。アメリカ疾病対策センターの調べによると59人に1人の子供が影響を受けていると推定されています。自閉スペクトラム症の特徴的な症状は通常2歳~3歳までに現れます。関連する発達の遅れはさらに早くから現れることもあり 多くの場合生後18ヵ月という早い時期に診断をすることが可能です。過去の研究によるとASDの早期発見、早期介入は その人の人生が前向きな結果につながりやすいと示されています。 この論文では脳波(EEG)による 自閉スペクトラム症の検出手法について説明しています。 この手法では 自閉スペクトラム症の検出に大きな影響を与える脳波のパラメーターを遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて最適化し 検出精度を向上させています。 6歳から12歳の自閉スペクトラム症の子供20人と障害のない子供20人のEEGデータをt検定を用いて統計的に比較した結果 自閉スペクトラム症の子供は、脳の左半球(特にC3チャンネル領域)の電位レベルが相関的に低いことが観察されました。また、自閉スペクトラム症の子供たちのC3およびF3チャンネルのシータ波は健常者より弱く、ガンマ波が強いという傾向も見られました。
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